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実はこれ、本格的なパビリオンを手軽に設置できる天人の技術を活かした、今評判のお化け屋敷なのだ。 出口からはちょうど半泣きの男と大泣きの女というカップルが出てきたところだ。 「さて、中に入りやしょう」 「え・・?」 ぎぎぎ・・という音を立てるかのようにぎこちなく、土方さんが俺を見る。 「た、建物内に入ったら通行人をチェックできねえだろ。外の方がいいんじゃ・・」 「あ、外には別に人員割いてますんで、ご心配なく」 「し、しかし・・」 「ここ、前評判高くて人気のスポットなんでさぁ。爆弾仕掛けたりとか、騒ぎを起こすにはうってつけだと思いやせんか? 「だからっ!怖いなんて言ってねえだろ!なんだこんなもん造りモンじゃねえか!」 「じゃあ、行きやしょう。大丈夫、手ぇつないでてあげますから」 「いるかっ」 入口で金を払うと切符の代わりに「診察券」が渡された。 待合室に入ると、受付には体半分がミイラ化した看護師が控えていた。 俺たちが入るとほどなくして診察室のドアが開いた。 「さ、さくさく行きましょうぜ」 「け、警備なんだからな・・ちゃんと見てろよ」 「はいはい、ちゃんと見てますってば」 “カワイイあんたの顔をねィ” 診察室に入ると同時に大きな音を立てて背後のドアが閉まった。 「ひっ・・」 土方さんはなんとか悲鳴は抑えたようだが、それと同時に俺の袖が何かに引っ張られた。 診察室には医者はおらず、さて順路はどうなってんのか・・と思っていたら、 “私を診て〜” “俺が先だろ〜” ああ、なるほど、俺たちは順番を追い抜いちまったってことか。そりゃあ腹も立つわな。 「土方さん、次行きますぜい」 「・・え?どっちに?」 「ほら、順路って書いてありまさぁ」 見ると、順路の矢印が今入ってきたドアに向いている。 「いっ・・・や」 「うりゃ」 躊躇う土方さんに構わずドアを開けた。途端にCGどもが診察室に入り込んでくる。 「うわああああああっ」 俺はとっさに、悲鳴を上げた土方さんの手を取って走り出した。 先ほどはCGだけだったが、廊下にはリアルに人を配置していたようで、腕をつかんだりして追いすがってくる。 「や、やめっ・・」 俺が取った手を必死に握り返してきた土方さんは、怖さのあまり目をつむって、俺の先導するままについて走っていた。 |
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